[iOS] Apple Developer Program と Apple Developer Enterprise Program の違い

[iOS] Apple Developer Program と Apple Developer Enterprise Program の違い

Clock Icon2016.04.06

この記事は公開されてから1年以上経過しています。情報が古い可能性がありますので、ご注意ください。

※初回掲載時、D-U-N-S Number の記述が一部間違っており、修正しました。また、表を見やすくするため修正しました(2016/04/06)

こんにちは!最近は朝のコーヒーが欠かせない田宮です。

今回は、Apple Developer Program と、Apple Developer Enterprise Programの違いについてまとめてみます。

特に、Apple Developer Enterprise Programは取得が簡単ではないこと、導入数がApple Developer Programほど多くはないことから、すぐに十分な情報が集まらない傾向があるかもしれません。

導入の必要があるのかなど、検討の材料にして頂ければ幸いです。

各ライセンスの大まかな特徴

Apple Developer Program

個人や法人がアプリをリリースするために必要なライセンス。1年毎に更新が必要で、登録料は1回あたり11,800円(2016/04/06現在)。以下、Developer Programと記述。

Apple Developer Program - Apple Developer

Apple Developer Enterprise Program

台数無制限で組織内にアプリを配布することが可能なライセンス。こちらも1年毎に更新が必要で、登録料は1回あたり37,800円(2016/04/06現在)。

同じ組織向けのライセンス形体として、Apple Developer Program に組織として登録することが挙げられるが、その場合App Storeに組織名を表示可能になるなどの効果があるだけで、Apple Develper Enterprise Programとは別物。

以下、Enterprise Programと記述。

Apple Developer Enterprise Program - Apple Developer

比較表

Developer ProgramEnterprise Programは、利用目的が異なります。in-house 配布を利用したい場合のみ、Enterprise Programに加入しましょう。

Developer Program Enterprise Program
App Store での配布
iTunes Connect の利用
Ad Hoc 配布
in-house 配布
ライセンス取得資格 個人でも可 法人のみ
契約時のD-U-N-S Number提出 個人としての契約では不要 必ず必要
証明書の有効期限 作成から1年 作成から3年
プロビジョニングプロファイル有効期限 作成から1年 作成から1年
年間費用(2016-04-06時点) 11,800円 37,800円

1. App Store での配布

Developer Program なら OK

Enterprise Programは、ストアでのアプリ配布を想定していません。App Storeで広くアプリを配布するには、Developer Programライセンスが必要です。

2. iTunes Connect の利用

Developer Program なら OK

貼り付けた画像_2016_04_06_17_49

iTunse Connectは、App Storeでのアプリ配布の管理をするためにあるので、Enterprise Programでは利用できません。

Member Centerを見ると、Developer Programライセンスを持つアカウントで入った場合に表示されるiTunse Connectの項目が、Enterprise Programライセンスを持つアカウントで入った場合、別の項目に入れ替わっていることが分かります。ちなみにここをクリックすると、ビジネス向けアプリのソリューション紹介といった内容のページに飛びます。

3. Ad Hoc 配布

どちらのライセンスでも可能

あらかじめプロビジョニングプロファイルで指定した特定のデバイスに配信する、Ad Hoc 配布は、どちらのライセンスでも可能です。配布可能な台数に、ライセンスごとの違いはありません。

4. in-house 配布

Enterprise Program なら可能

in-houseとは、英語で組織内のといった意味です。その名の通り、Enterprise Programを締結した組織内で、社内アプリを配布したり、作成中のアプリを検証するために使われます。配信先の端末数に制限はありませんが、組織内での利用に限ります。

Developer Programでは利用できません。

貼り付けた画像_2016_04_06_18_03

Certificate作成画面も、上記の仕様通り、両ライセンス間で異なります。

5. ライセンス取得資格

Developer Program は個人でもOK

Developer Programは、個人・法人問わず契約できます。

一方、Enterprise Programは、法人に限られます。

登録の前に - Apple Developer Enterprise Program

6. 契約時のD-U-N-S Number提出

Developer Program なら必要なし

D-U-N-S Number とは、アメリカのDun & Bradstreet社が発行する9桁の企業識別コードです。

Enterprise Program契約時には、この番号が必要になります。Developer Programの場合、個人としての契約時には不要です。法人としての契約時には必要になります。

以下のクランチタイマー佐々木様の記事が、大変参考になります。

[iOS] 無料でD-U-N-S Numberを取得する手順

7. 証明書の更新期限

Enterprise Program なら3年有効

アプリ配布に必要な証明書は、Enterprise Programならアクティベート時から3年間有効です。Developer Programのように毎年更新する必要はありません。

ただし、後述のように、各アプリに紐づくプロビジョニングプロファイルは毎年更新の必要がある上、その期限が切れると起動できなくなりますので、要注意です。

8. プロビジョニングプロファイル有効期限

どちらのライセンスでも1年

プロビジョニングプロファイルの有効期限には、両ライセンスに違いはありません。

Enterprise Programの場合、証明書のほうが3年毎の更新なので、プロビジョニングの方の更新を忘れがちですが、先述のように、期限が切れるとアプリが起動できなくなるので、要注意です。

9. 年間費用

Developer Program は安い

Enterprise Program37,800円に対し、Developer Program11,800円となります(2016/04/06現在)。

まとめ

Developer ProgramEnterprise Programは、利用目的が異なります。

Enterprise Programin-houseでの配布は、大きな組織で社内アプリを展開するときなどは、とても便利です。

導入検討の材料にして頂ければ嬉しいです。

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